当社ではPLCだけでは無く、LinuxBoxPCを活用するケースもあります。
(太陽光発電システム遠隔監視)
最大の魅力はやはり機器コストです。太陽光発電システムの遠隔監視などでは、既に先発でかなり低価格のシステムを販売している会社が多く、開発依頼を頂く多くのお客様も機器コストを少しでも抑えたいとのご希望も多く活用しています。最近では、LTEルーターの機能を内蔵したものも多く標準価格も数万円程度です。10000円以下で発売されているラズベリーパイという製品もあり当社のお付き合いのあるところでも採用している会社もあるのですが、ハード面での実装や24時間連続動作での実績面等を考え当社としての採用実績はまだありません。
PLCと比べた時のLinuxBoxPCの課題の一つが、接点入力やアナログ入力です。外付けでリモートIOなどを付けると機器コスト低減の目的を果たせなくなることもあるのですが、太陽光発電システムの遠隔監視では、PCS(パワーコンディソナー)とのシリアルやLANでの通信のみでIOを必要としないケースも多くLinuxBoxPCを活用しやすいと言えます。また、少点数ですがDIやAIを内蔵するタイプも発売されています。
開発依頼の多くは、発電システム側のデータ収集端末の開発で各社のPCSとの通信インターフェイスの開発がメインです。収集したデータは、お客様の指定のクラウドサーバに指定フォーマットのファイルを転送する場合が多いのですが、WEBサーバーとしても活用出来ますので端末側でWEB監視画面を持つ場合もあります。サイネージ画面が必要な場合にもこの手法を用いることが多いです。
(PLCとのWEBインターフェイス)
他にPLCのWEB用のインターフェイスとして使用する場合もあります。WEB対応のユニットをラインナップしたPLCもあるのですが、総じて価格が高いのとWEBサーバー部の容量の問題でPLCのWEBユニットではなくLinuxBoxPCを使用することが多くなっています。PLCが高機能化してきたとは言え、データ処理やファイル操作については、やはりPCにはかなわないことが多くあります。設備との取り合いや制御をPLCで行い、PLC経由でのデータ取集やWEB画面をLinuxBoxPCで受け持つことになります。

執筆者 小松彰彦